みなさんお久しぶりです、そして始めまして。Yoshinaoです。

メンバーのページを作るにあたり、それぞれのメンバーには「解散後の10年を振り返って」という題材を与えて書いてもらいました。
でも、自分の場合、他のメンバーほど「音楽に携わった歴史」はありません。
パッション解散後、ちゃんと活動したバンドには在籍しませんでした。

それでも、一回だけデモテープを作りました。
そのバンドでは川崎のクラブチッタで一度だけライブやりました。(ベースはHidemiでした。)
見に来て頂いた方も何人かは居ると思いますが・・・


パッション解散後の自分の人生を変えたそのバンドとの出会いの話をしましょう。

パッションが解散して「これから何して生きていこう」と途方にくれている時に、俺は一人の男の人と出会いました。
「デモテープを作るのを手伝って欲しい」というその人はギタリストでした。

Heavy & Wild が売り物だったパッションの音楽と違い、自分の中には存在しないエッセンスをその人は持っていました。
ここであまり詳しい事を書く訳にもいかないのですが、その人はとある宿命のせいで大好きな音楽の道を歩いて
いく事が許されない人だったのです。

その人は(それまでの自分とは全く縁のなかった)ビジネスマンでもありました。
そして、仕事の世話もしてもらいました。

その人に連れられて、とある一流大企業に行った時のことです。
その会社の受付のおねえさんがお茶を運んできて、マニュアルで決められたような角度でお辞儀をする姿を見て、
「ああ、男にはこういうステージもあるんだな」ってマジで思いました。
その事がきっかけとなって、それからの自分が据える目標は音楽から仕事に変わりました。
ミュージシャンとしての自分とはその時点で訣別しました。
普通の人より出遅れた時間を取り戻すかのように、がむしゃらに仕事に打ち込みました。

そして

手に入れたもの・・・
失ったもの・・・

時は瞬く間に流れて10年の歳月が経ちました。


人と人のめぐり合い、その中でも、性格も思想も違う人間が一緒にバンドを組んで音楽を作る事は本当に「奇跡」のようなものだと思います。
だから、10年経ってもこうして応援してくれるファンのみなさんがいるという事実、これも俺にとってはかけがえのない財産だなあと感じています。

10月のライブでは、10年前と同じ気持ちで歌う事はきっと出来ません。
でも、10年経った今だからこそ伝えられる「何か」がきっとある、そんな気がしてます。
そういう思いをありったけ込めて歌おうと思います。

楽しみにしていてください。